サポーターズコラム

 代表 工藤英一
Qualia-Partners.llc 代表
工藤 英一
はじめまして、Qualia-Partnersの工藤英一といいます。 お得意様をふやすことで、小さなお店や会社が老舗になるよう応援するコンサルタントです。株式会社間組の研究所で動的振動予測技術や人口海底山脈の開発を行ってたのですが、父の会社の経営を手伝うことをきっかけに、今ではコンサルタントになってしまいました。千葉県のリフォーム会社の立て直しを手始めに年間売上2000万円から200億円までのさまざまな会社やお店とお付き合いさせていただきました。しかし、現在は、一人やご夫婦でやっている開店から間もないお店にお得意様を増やすことや開業のお手伝いに集中しています。これから先、ますます不景気になっていき、大きな組織も頼りになりません。自分も含め、「誰もが、自由に自分の意思で生活していけるようになれば」と思っています。

エクスペリエンスデザイン2 恐山の潮来に学ぶ?


前回、「もし、お客様になりきることができたら、お客様を感動させるデザインができるかもしれません」と話しましたが、お客様になりきることは、そう簡単なことではありません。
私たちは、お客様と価値観や考え方が違います。ですから、そもそもなりきれるはずがないのです。

では、近づくことはできないでしょうか?


1.一つの方法が、ロールプレイングでお客様役をやってみることです。

「いい営業マンを育てるには、商品の説明やクロージングを学ばせる前に、まず、良いお客様役にならせなさい」といいます。

商品について良く知っておくことは大切なことですが、それ以上に、
・お客様がどのような所で商品を使うのか、
・お客様はどのようなことに困っていてるのか、
・どのような気持ちでいるのか、
・どのようなことに疑問を感じているのか、
・どのような希望や要望を持っているのか
を知らなければなりません。

いくら商品について詳しく知っていても、その商品を実際に使うお客様が考えていることや気持ちが分からないと、お客様にどのように何を説明すれば心に刺さるのかが分かりません。
営業のロールプレイングのときも、営業担当者の役が上手くなることよりも、お客様役を上手に演じられるようになることが大切なのです。
営業マン役の人に対して、実際に、現場でお客様がするような質問や反応ができるようになることが基本となります。


といっても、、、正直、お客様役を最初から上手くできる人はいません。

 


2.お客様が降りてくる

そこで、次に試していただきたいのが、「お客様の居たところに自分が代わりに居てみる」という方法です。

お客様が立っていたのなら立っていた場所に同じように立ってみて、座っていたのなら座っていた場所に座ってみて、お客様になりきってみるのです。
服装は換えられないので、しぐさや、態度(足を組むなど)、姿勢、言い方など、できるだけその場でできることを真似してみてください。
すると、なんとなく、そのお客様の気持ちや考えていることが分かってきます。

まるで恐山の潮来(いたこ)のような話ですが、この方法は、ゲシュタルト心理療法のエンプティーチェアーというれっきとした立派な心理療法手法のひとつです。
エンプティーチェアーは、一定の成果が見込める古くからある方法で、上司とそりの合わない部下から相談を受けた時や若い部下の気持ちが分からないで悩んでいる社長から相談を受けた時に、カウンセラーが良く使います。
私の経験では、成功率は7割ぐらいです。
騙されたと思って、一度やってみてください。

 

3.もちろん、お店の方に、お客様がどのような気持ちでいるのかを考えてもらう時にも役立っています。

イタリアンレストランのSweet-Waterさんにこの方法を提案したのですが、Sweet-Waterさんの奥さんは「修行時代、接客を教えてもらっていたときに、よく、お客様の椅子に座ってみなさいと上司から言われていた。」と言っていました。

Sweet-Waterさんの奥さんにこの方法をやっていただきました。
Sweet-Waterさんの奥さんは、カウンターの一番奥に二人で並んで座っていたよく来る夫婦のお客様を思い出しました。
そして、その奥様が座っていた椅子に座ってみたのです。

すると、「旦那さんは手持無沙汰で早く帰りたいような感じだけど、奥様の方は私たちと話したがっていると思う」と言い出したのです。(お客様の奥様が降りてきました。。。)

それ以降、接客の方針を変えたそうです。
それまでは、お客様と近づきすぎないように一定の距離を取るようにしていたのですが、”お客様が話しがっているな”と感じたら、こちらから声をかけるようになったそうです。
Sweet-Waterさんは、今では予約を入れないと入れないお店になっています。


■お客様になってみることは難しいことですが、重りやゴーグルをかぶったりお客様の真似をすることで近づくことはできそうです。近づければ、良いデザインができるようになりそうです。


また、開業前の今こそ、「お客様」をじっくり味わってみることが大切だと思います。一度開業してしまうと、純粋なお客様にはもどれなくなってしまいますので。。。



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