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外資系コンサルからシェアハウス運営へ 17棟300室のコンセプトシェアハウスを展開する内野氏が提案する未来型コミュニティのカタチ(株式会社彩ファクトリー 内野 匡裕CEO)【festivo起業家インタビュー】

一歩先行く先輩起業家、事業家や特異な視点をもつ起業家の今を切り出すインタビュー企画、festivo起業家インタビュー『Our life is our flame.-情熱に生きる僕らの今-』。今回はコンセプトシェアハウスを多数展開する、株式会社彩ファクトリー 内野氏に登場していただきました。

有名外資コンサルのキャリアがありながら、はじめから起業を志向していたその理由は?そしてなぜシェアハウスなのでしょう。

 

「30歳で起業」を目指し、逆算でキャリアを積んだ20代

 

最初に勤めたのはIBMのコンサルティング会社でした。幅広い業務が経験できる会社です。入社してからもやりたいことは変わると思っていたので、幅広い分野を押さえている会社に行きたいという動機で決めました。

ただコンサルティングは人のビジネスを助けるものなので、「自分のビジネスが成功した! やったー!」というのとは違っていて。やがて「もっと自分ごとにしたい」という想いが募りました。

それで「事業全体がみえる会社で修行して30に起業しよう」と思い、転職したのがドリコムです。決定要因となったのは、自分と同年代の社長が学生のときに起業して、4年間で上場させたこと。「そんなことができるんだ!」と思える人のそばで、その仕事ぶりを見たい、と思ったんです。

ドリコムが30人ほどの規模のときに面接を受けて。でも、会社を辞めるまでに1年もかかってしまったんです。その1年で100人規模にまで成長していました。ですので、立ち上げを経験するという目的は達成できず。

その後、まったくのゼロから会社を立ち上げる、という会社に声をかけていただいて、転職しました。そこでゼロから新規事業を経験させてもらって、一週間の半分は会社に寝泊まりしたり、「今月、このまま売上があがらなかったら倒産」みたいなどうしようもない厳しい現実や、ピリピリした空気に押し潰されそうになりながら、それでも、頑張り続けて受注できたときの感動がものすごく大きかったり、「生きてる!」という感じがしました。

キャリア全体を総括すると、だいたい30歳までに起業したいというのが頭にあって、逆算して、足りない経験を積むために会社を選んだ、という感じでしたね。


コンセプトシェアハウスの先駆け「元麻布農園」をプロデュース。会社の立ち上げへ

 

個人事業主として働きはじめたのは30歳のときです。まだITベンチャーに勤めていた頃でした。当時の社長と話をして、会社の時間を使わないという条件で、並行するのを許してもらっていたんです。

最初は、ITのコンサルティングから開発まで行うという事業内容でした

その後、シェアハウスの経験者が独立するという話があって、パートナーとして声をかけて頂いたので、ベンチャー企業の方は正式に辞めて、ボクが副社長になって会社をつくりました。その会社で手がけたのが「元麻布農園」。麻布の真ん中にある、農園付きのシェアハウスです。コンセプト型シェアハウスの“はしり”ですね。

1部屋14万円と高額でしたが、すぐに満員になりました。これまでのシェアハウスの価値観を大きく変えるものだったと思います。

「シェアハウス=安宿」というイメージだったのが、ハイグレードでかつ一人暮らしでは得られない体験をプラスすることで、高くても住みたいというニーズがあるとわかった瞬間でした。

その後100%出資してくださっていた投資家さんと目指す方向がどうしても合わなくて、独立して個人事業主として休眠させていた会社をシェハウス事業の会社にしたんです。現在の「彩ファクトリー」ですね。


きっかけは「英語力の向上」。ITから転向してシェアハウス事業に参入したワケ

 

シェアハウス事業に参入したのは、IBMにいた頃、たまたまシェアハウスに住み始めたのがきっかけです。目的は英語力の向上でした。IBMでは海外出張があったのでどうしても身につけないといけない環境でした。

でも、仕事が忙しくて、英会話スクールがあいている時間には帰れない。それなら外国人の友だちをつくるしかない、と。2LDKの自分の部屋の1室に外国人に住んでもらおうとルームシェア掲示板を探しはじめたら、「ゲストハウス」という単語を見かけたんです。

ホームページを見てみたら、本当にボロボロで。価格も安く、そして20名近くも外国人が住んでるとのことでした。それなら自分のところに入れるよりも、自ら入ったほうが早いと思って入居したんです。

当時のシェアハウスは、節約のためにしか存在していませんでした。いわゆる安宿です。IBMの同僚にゲストハウスへの話をしたら、「お金に困ってるの? 悩み聞くよ」と、真剣に言われてしまって。社会的にはそう見られている。ショックでしたね。

半年ぐらい住んでみると、そこのシェアハウスは外国人がいっぱいいて。日本人はというと、正社員はほとんどいなくて、半年アルバイトして半年海外に行くという方が多かったです。人と違う人生を選んでいる人たちばかり。

ボクは今まで、そういった人種の人に会ったことがなくて。異業種交流会で「へー、そうなんだ」で流してしまうようなことが、生活をともにするとリアルに実感できます。「幸せになるには今のレールを前進するしかない。踏み外したら戻れないと思い込んでたけど、いつどこに行ったって、何をやったって幸せになることはできる。だって目の前のみんな今をすごく幸せそうに生きてるじゃん」と、捉われていた自分の狭い考えから解放されたように思えました。

こうした体験は、若い人たちにとってぜったい役に立つと思いました。ただ、悩んでいる人たちは、会社で仕事をがんばっている人が多い。その人たちにとってシェアハウスは住みたいという存在でもないし、周囲の目を考えると住みたくても住みづらい状況でした。

それなら、自分がデザインやコンセプトからつくり込み、シェアハウスを「カッコイイ!」と思えるものにするべきだ、と。それが会社化した理由です。需要と供給のギャップがあるにもかかわらず、誰も手を付けていない分野でした。


「目標に対するファシリテーションが仕事です」。シェアハウスを通して実現する未来

 

「起業家シェアハウス」をはじめたばかりの頃は、住む人も、コミュニティのメンバーも決まっていない状態で。なかなか予約も伸びず、苦戦しました。

そこで、先輩起業家ひとりひとりにあいさつに行きました。「ぜひ、住んでください!」と。みなさん経済的にはまったく住む必要はなかったのですが、数名の方が「物が豪華なだけな暮らしも飽きたし、面白い人や刺激が集まりそうだから住むよ」と入居くださいました。そうするとそんな先輩経営者から学びたい層の方々が次々と入居くださいました。

手がけるシェアハウスの基準は、「あってもなくてもいい、楽しい楽しくない」ではなく、「どれだけその人の人生が変わるか」を軸に判断しています。起業も英会話もシングルマザーも東大も、人生が変わるなら住んでみよう、と思っていただけたのが成功の要因かと思います。

ボクたちの目標は住んでもらって終わりではありません。住んだ人たちが、そこでの体験を通して、一定の目標を達成できるかどうかにあります。いわゆる「ファシリテーションする」という視点を大切にしているのです。

「人生が変わりました。ありがとうございます」と言ってもらえると、私としても、働いているスタッフとしても、大きなやりがいになります。

今後は国内だけでなく、アジアやヨーロッパにもシェアハウスを広げていく予定です。


起業にリスクはない。コミュニティに参加し、環境を変えること

 

あとから考えると、20代の頃から起業を経験しておけばと思っています。勉強から入っても「これはこんな場面でこう使えるな」みたいなリアリティがないので、同じ内容でも吸収できてなかった気がします。やりながら必要なことを学んでいくのが一番だと感じてます。

会社員のときは、周囲に起業してバリバリやっている人がいなかった。もしそういう人がいれば、自分ももっと早く着手できたかもしれません。やはり、フェスティボさんのようなコミュニティ入って、若い起業家とのつながりをつくるのは大切です。

起業にリスクはありません。失敗しても経験値はなくならないので。もし失敗しても、そこからベンチャー企業に入れば、すごく優秀な会社員になれるじゃないですか。だから何のリスクもないと僕は思います。

大変なことはいっぱいありますが、やりがいも大きい。ちっぽけな自分に対して、「人生が変わりました。ありがとうございます」と言ってくれる人がいて、しかもその場面に立ち会える。本当にしあわせなことです。

絶望は感じないですね。失敗しても「あと少しで成功する」と思ってしまうので。実際、やるしかないですし。

起業すると、たとえ失敗しても「こうすればいい」と、意思決定ができますよね。でも、会社員にはそれができません。やはり、環境が思考を変えるんです。ボクの場合、環境を変えたのが一番よかったことかもしれませんね。



【おまけ企画】起業家の一日ウォッチング
「内野 匡裕さん」の一日

朝6時に起床。午前中は仕事に集中。午後は将来のために、人に会ったり企画を考える時間にしています。夜はおおむね0時に就寝。好きなことをしているので、仕事をしているというよりは、ずっと遊んでいるような感覚ですね。いまが一番しあわせです。



【起業家プロフィール】株式会社彩ファクトリー 内野 匡裕CEO

1979年生まれ。日本IBMシステムズエンジニアリングに入社後、英語力の上達を目的としてシェアハウスに入居。人との交流から得られる気付きや学びに価値があることを知る。シェアハウスを世の中に受け入れられやすい形にして提供したいと思い、起業を決意。以来、勉強のために10物件に住む。ドリコム、マイネット・ジャパン、ヒューマンノットを経て、2009年に独立。「彩ファクトリー」を創業。コンセプト型シェアハウスの企画・プロデュース、運営、コンサルティングを手がけている。


 

起業家シェアハウスでは、起業済みの方や起業予定の方が切磋琢磨を通して事業の成長スピードを加速させるためにお住まい頂いてます。

東京は練馬(40室)と白金台(5室)。京都は27室。福岡は来年OPEN予定。

節約型シェアハウスとは違って、個室の中にキッチン、お風呂、トイレのあるマンションと変わらない設備のものが多いです。

★住人専用Facebookグループで密な情報交換、悩み相談
★コワーキングスペースで週末はビジネスイベント、先輩経営者の体験談セミナー
★共有ラウンジで毎月起業家交流パーティー
★自宅兼オフィスにして移動時間解消

などなど、いろいろなメリットのある環境ですので、興味のある方は気軽に見学してみてください(о´∀`о)

■起業家シェアハウス紹介Movie
https://www.youtube.com/watch?v=0RE2gjf1h3g

■公式サイト
http://irodorifactory.com/

 

(編集:山中 勇樹