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「好きな仕事ができる幸せ」東大卒・ゴールドマン・サックス出身のエリートが起業に挑戦した理由(Momentum株式会社 大久保 遼CEO)【festivo起業家インタビュー】

一歩先行く先輩起業家、事業家や特異な視点をもつ起業家の今を切り出すインタビュー企画、festivo起業家インタビュー『Our life is our flame.-情熱に生きる僕らの今-』。今回は東大卒・ゴールドマン・サックス出身のMomentum株式会社 大久保氏に登場していただきました。

最強のキャリアを持ちながら、大久保氏が起業した理由とは?

 

ゴールドマン・サックスを辞めて起業家へ。日本で唯一のアドフラウド分野に参入

 

大学には理科系で入ったんですが、途中で経済学部の金融学科に移りました。卒業後は金融会社に就職。2年半ほど勤めました。従事した仕事は、広告、通信、メディア系のセクターのM&Aやファイナンスです。

その後、2014年の9月に起業。最初は※アドベリフィケーションからスタートしました。アダルトサイトなど、広告主にとって批判的なサイトに広告を出さないようにするサービスです。

(※アドベリフィケーション:DSP(広告配信プラットフォーム)などを使って配信した広告が、広告主のイメージ低下を招くようなサイトに配信されていないか、ユーザーが認識できる場所にしっかり掲載されているかなどを確認して配信をコントロールするためのツール。)

同様のサービスを提供している海外の会社もありますが、英語での解析になります。弊社では、ローカライズして、日本語で解析した広告主向けのツールとなっています。

一旦、そのサービスでシードの資金を調達し、GMOベンチャー通信さんに入っていただいて。その後、ある程度ツールが売れるようになってからは、※アドフラウドの分野にも参入しました。今年の4月に、少し大きなファイナンスをしたところです。

(※アドフラウド:広告詐欺を指し、botなどによって無効なインプレッションやクリックを稼ぎ、広告費用に対する成約数や広告効果などを水増しする行為。)



最初のアプリをリリースしてから1ヶ月でピボット。“toCビジネス”には魔物が住んでいる

 

売上がちゃんとあがるようになったのは、今年の5月ぐらいからでしょうか。最初の半年間は厳しい状況が続いていましたね。

そもそも起業当初は、オンライン広告の事業ではなかったんです。最初はスケジュールアプリを扱っていて。ただ、結局うまくいかなくて……。

その経験から、「toCビジネスには魔物が住んでいる」と思うようになりました。想像とユーザーのリアクションはぜんぜん違うんですよ。

そのスケジュールアプリは、カード型のスケジュールで色が緑でした。あるとき合コンで出会った女の子から「私、ピンクだったら使う!」と言われてしまって……。そういうレベル感で使う使わないを決める世界なのか、と。自分には無理だと思いました。

ピボットは早かったです。リリースして1ヶ月ぐらいだったでしょうか。

toBは最初に入り込むのは難しいですし、ゼロをイチにするのは大変ですが、イチを十にするのはそこまで難しくないと思っていて。でも、toCの場合には、イチを十にスケールさせるために何をすればいいのかボクにはわかりません。

今、「Yelp」が売りに出ているじゃないですか。アメリカの食べログみたいなサービスですね。Yelpレベルでも売りに出るぐらいですから、toCでの成功って至難の業だなと。あれだけ会員を集めても売りに出さなければならない。そう考えると、ゲームは偉大ですね。

Momentumが描く成長戦略。広告セキュリティのインフラへ

 

弊社はニッチ分野が好きなので、ニッチでかつ流行り廃りがない市場を狙っていきます。加えて、ある程度参入障壁が高くて、一旦入ってしまうとスイッチングコストが高いところを攻めていく感じでしょうか。

賛否両論あると思いますが、ボクは会社を黒字化してナンボ、キャッシュは増やしてナンボだと考えています。そういう部分はしっかりしておきたいですね。

ただ、目立たず稼ぐのが好きなんですよ。よく、謎の会社ってあるじゃないですか。「こんなに利益が出てるんだ!」というような、利益率が高い会社。そういう会社をつくりたいと思っています。

あとはインフラ的なサービスをつくりたいですね。たとえば、アドフラウドであれば、広告セキュリティのインフラになれます。広告セキュリティのインフラから、今度は広告じゃない分野のセキュリティに生かすことも可能です。

その他には、テレビCM連動型の広告など、ただの広告ではないものも企画しています。安定してキャッシュが出てくれば、そういうこともできますよね。



ゴールドマン時代よりも今が好き。自分で仕事を選べる幸せ

 

起業して良かったと思うことは、自分にとって本当に信頼できる人がわかることです。女の子の場合などは如実にあらわれますね。「あなたは、ボクがゴールドマン・サックスにいたから一緒にいたんですね」と。

でも、そうじゃない人もいる。そういう人は、信頼によってつながっているということ。起業すると、そういう線引きができます。実感として、誰が信頼できるかわかります。

サラリーマン時代と今のどちらが幸せかと言うと、今のほうが幸せです。これはボクの性格かもしれませんが、ゴールドマンにいたときは派手な生活ができましたし、女の子も寄ってきましたが、それはゴールドマンがスゴいだけ。ボクがスゴいわけじゃありません。

Momentumを褒めてもらうことは、ボクやその他のスタッフが褒められているということになります。これは幸せなことですね。頑張った分だけ認められる。また、自分でやりたい仕事を選べるのも素晴らしいですね。


過去の投資は未来のポテンシャルへ。
起業するのであれば「サンクコスト」を意識するべき

 

もし、起業を考えている人に向けてボクが何か言えることがあるとしたら、※サンクコストを考えるべき、ということです。いわゆる埋没費用ですね。

(※サンクコスト:事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によっても戻って来ない投下資金または投下した労力のこと。)

今まで自分が投資した資金は、全部、未来のポテンシャルに反映されているはずです。なので、今まで自分はこのプロダクトにこれだけの時間が使ってきたとか、これだけのお金を使ってきたと考えるのは無意味だと思っています。

自分が使った時間やお金というのは、そのプロダクトの未来価値に反映されているはずなんです。つまり、未来価値がゼロだと思うなら、使ってきた時間やお金はゼロなんですよ。その点をすごく意識していて。

そもそも「これだけ頑張ったんだからこうなるはず」というのは違うと思います。そこを見誤ってしまうと、「これだけ頑張ってきたんだからもっとやらなきゃ!」という思考回路になってしまいます。それはワナですよね。



【おまけ企画】起業家の一日ウォッチング
「大久保 遼さん」の一日

朝8:30ごろに起床。10時に出社、日中は外に出ていることが多いです(夕方17時ぐらいまで)。戻ってからは事務作業全般。何もなければ21〜22時に帰宅。睡眠時間は5〜6時間ほど。忙しいときは徹夜することもあります。趣味はフットサル、前職から続けている野球など。休日にオフィスに来るのも好きです。生活スタイルは夜型ですね。

 

【起業家プロフィール】Momentum株式会社 大久保 遼CEO

1989年生まれ。神奈川県出身。2012年東京大学経済学部卒業。同年、ゴールドマン・サックス証券投資銀行部門入社。主に広告、通信・メディア、テクノロジー関連のM&A、ファイナンシングのアドバイザリー業務に従事。2014年9月、Momentum株式会社を設立。代表取締役社長に就任。

弊社は日本で唯一の広告詐欺(アドフラウド)対策ツールの提供や、オンライン広告出稿におけるブランド価値の保護を機械的に行うツールの提供を行っております。技術の会社であると同時に、お客様の為に日々努力するクライアントファーストの会社でもあります。流行廃りに囚われず、常に世の中から必要とされるマーケットできっちりとビジネスを展開して参ります。確かな技術と堅実なビジネスモデルを好む仲間を絶賛募集中です。

Momentum株式会社: http://www.m0mentum.co.jp/

(編集:山中 勇樹