サポーターズコラム

  festivoofficial
festivo official
若手起業家コミュfestivoの公式アカウントです。日本に良質な起業家・起業志望者の生態系を、挑戦する若手に新しい武器を、働き方の選択肢を。

「経営者は孤独ではありません」 女子大生が起業で手に入れた“好きな人と好きなことができる場所”(株式会社フォルスタイル 平井 幸奈CEO)【festivo起業家インタビュー】

一歩先行く先輩起業家、事業家や特異な視点をもつ起業家の今を切り出すインタビュー企画、festivo起業家インタビュー『Our life is our flame.-情熱に生きる僕らの今-』。今回はfestivo代表 塚本とも親交のある株式会社フォルスタイル 平井 幸奈社長に登場していただきました。

今回は塚本とのざっくばらんな会話形式でのインタビューです。会話の端々に彼女の温和な性格と仕事や人生を楽しんでいる様子がうかがえます。

 

友人たちは一流企業へ。
そんななか、「初任給ぐらいなら稼げるかな」と思って起業しました

 

塚本:平井さんこんにちは、今日はよろしくお願いします。平井さんとは何度かお話したことはありますが、今日は改めて、起業の経緯から教えてください。

平井:アルバイトをきっかけに料理の世界に魅了され、大学2年のときにシドニーの「bills」で修行をしました。はじめはその経験を発信したいと思い、料理教室やケータリングなどをボランティアで行っていました。そのなかで、「継続したい」「ビジネスとして成り立たせたい」という思いが強くなり、ForuCafeの立ち上げを決めたんです。ただ、経営の知識が全くないままはじめたので……苦労しました。

塚本:就職せずに法人化して起業独立すると決めたとき、将来のことなど心配になりませんでしたか?

平井:やはり不安はありました。友人たちは続々と一流企業から内定をもらい、「同期と飲みに行くんだ!」などと言っているのを聞いていたので。うらやましかったです。

でも、就職しないと決めたのは、この仕事以外に考えられなかったからです。私にとってこれ以上に魅力的な仕事はないな、と。

起業を決断したのは、お店を開店してから半年後ぐらいですね。少しずつ認知度も上がり、軌道に乗ってきた頃です。テレビ取材などもいただけるようになり、「初任給ぐらいなら稼げるかな」と思って。

塚本:それにしても、飲食での起業……飲食業はコストもリスクも高いですよね。

平井:その通りです。うちの場合、ガスバーナーひとつなければ提供できない料理がほとんどです。最初は在庫管理も徹底できていなかったので、営業中、近所のホームセンターにガスバーナーを買いに走ることもありました(笑)

好きじゃなければ続かない仕事ですよね。


1000人に食べてもらい、SNSで100人の予約が埋まったことが自信になり、開店へ

 

塚本:開店までの経緯で、とくに大変だったことは何かありますか?

平井:物件探しが大変でした。最初は表参道、代官山、原宿あたりを希望していたんですが、賃料がとにかく高くて……業者に依頼してもなかなか進まず、最終的には自分の足で探しました。

塚本:いろいろなことを経験しつつビジネスとして成立させるために、「固定費をかけてでも」という覚悟で飲食に参入したんですね~。

平井:カタチにしたいと思って。必ずしも「起業したい」「カフェを開業したい」と思っていたわけではないのですが。タイミングと、すでに私の料理を食べてくれた人が1000人ぐらいいたということが自信につながりました。

あと、このForuCafeは、開業前に1ヶ月に1度だけオープンしていました。日曜日がお休みのカフェを使って、日曜限定で。ForuCafeの開催をSNSなどで拡散して、「1か月前から100人の予約が埋まった」という実績ができ、背中を押してくれましたね。


創業メンバーはfacebookで募集してスタバで面接。今の採用もtwitterが主流

 

塚本:創業時のチーム作りは誰しも苦労するものですが、チーム作りはどのように進めたの?

平井:立ち上げ当初はFacebookでスタッフを募集しました。応募者とはスタバで面接して……最初は孤独でしたね。でも、それが良かったんです。学生が作ったお店だけど、サークルの延長という感覚ではありませんでした。

現在は強いチームができ上がりつつあります。とくに社員の子は私に無いスキルを持っています。アルバイトの子たちも良い子ばかりですよ。

よく「経営者は孤独」という言葉を耳にしますが、私にはまったくそうは思えません。本当に居心地が良くて、休みの日でもつい来たくなる場所です。

塚本:とはいえ店を切り盛りするには、楽しいだけでは成り立たないですよね、人員の管理などについては苦労などありませんでしたか?

平井:私、人にも自分にもすごく甘くて。私自身が遅刻して、それでスタッフも遅刻するようになっちゃって……遅刻が急増したことがありました。(笑)

理想的なリーダーって、自分に厳しく、悪いことは悪いと言える人ですよね。でも私はどうしてもそうはなれなくて、「自分は経営者に向いていないんじゃないか?」と悩んだ時期がありました。
でも今は、それでいいんだと思えるようになったんです。自分のマイナス面を踏まえた上で「どうするのか?」と、考えています。たとえば遅刻は厳しいルールを作って縛っています。単純ですが、遅刻をすると給料が減るというシステムを作ったことで、遅刻は激減しました。

人員の管理以外にも、苦労は沢山ありますが、日々「ひとつひとつの仕事をいかに楽しむか」と、考えるようにしています。どうしてもやりたくない、楽しくない仕事も、楽しむ技術を身につけました。私は今でもスタッフに怒ったことはありませんし、笑いのたえない職場です。

塚本:そうやって風土ができていくんですよね。採用活動は今も継続的に行っているの?

平井:はい、今年は春に採用活動を行いました。使ったのは今でもSNSのみです。ありがたいことに募集をかけたら5日間で応募が殺到して倍率は前回の5倍でした。

twitterには力を入れています。早稲田の学生をフォローしたら、5割ほどがフォローを返してくれて。ビラ配りよりも効果的な広報活動になりますし、そこから採用につながることもあります。ですので、暇があれば早稲田生をフォローしています。

 

forucafe

今年の目標は“オーストラリアへの社員旅行!”

 

塚本:今、会社としてとくに力を入れていることは何かある?

平井:ブリュレフレンチトースト専門店ForuCafeと黄金比グラノーラ「FORU GRANOLA」、双方に力を入れています。特にグラノーラはクラウドファンディングで先行販売をして資金を集め、工房を作り、先々月ようやく生産を開始したところです。パッケージから材料まで素材にとことんこだわっています。

ようやく生産体制が整ったので、今後は百貨店やセレクトショップなどへも幅広く展開していく予定です。グラノーラは色々な利用シーンがあります。社食や機内食、ブライダルの引き出物、学校などで食べてもらいたいなどと夢を広げています。

塚本:平井さん自身はどういうことを頑張っているの?

平井:最近はグラノーラの売り込みに力を入れています。これまで営業活動はあまりしていなかったのですが、電話をかけたり、紹介してもらったりと、トップ営業を行っています。

今年の目標はオーストラリアへ社員旅行に行くことです。そのためには、人材、資金面でも余裕が持てる体制を整える必要があります。道のりは長いです。


”毎日とても幸せです” 起業で手に入れた「自由」と「自然体のわたし」

 

塚本:いいですね(笑)もうすぐ二年だよね。創業当時と現在で、変わったことはありますか?

平井:創業当時は本当に大変で、「なんでやっているんだろう?」と思うこともありました。朝から晩まで仕込みや営業、経理などの事務作業に追われていて。当初は全部自分でやっていたんです。

また、予想外のトラブルも多かったですね。クレーマーさんが来たり、業者さんにぼったくられたり……。辛いこともありました。

塚本:起業アルアルだね(笑)それでもなぜ、続けようと思ったの?

平井:目の前のお客さまが「美味しい」と言ってくれることが嬉しくて。キッチンとお客さまとの距離も近いですし。

あとはチームができたこと。社員もバイトも、全員、私にとってかけがえのない子たちです。

塚本:起業家はそうやって行動とともに成長していくよね。最後に、起業を目指している方に一言お願いします。

平井:今の私はとても“自由”です。自分が好きなように、好きなことを、好きな人とできている。幸せしかありません。

最初は辛いこともありましたが、今ではなんでも乗り越えられるという自信もつきました。ですので、起業は自由への一歩だと思います。

あと、自然体でいられるのもいいですね。最初は代表らしくしようと思っていましたが(笑)今では素の自分を大切にしています。

 

【おまけ企画】起業家の一日ウォッチング
「平井 幸奈さん」の一日

 

 

6時~6:30頃に起きて自転車でお店へ。お店に着くと朝ご飯。その後はメール処理や朝の準備、英会話の勉強をしています。出勤時間は9:00から。開店時刻の11:00までは社内会議、グラノーラの制作など。開店後は、店内業務および外への営業や事務作業です。店内と店外の業務は半々ぐらいですね。20時の閉店後は、閉店処理、社内会議を1時間ほど。終わってからはジムに行き、23時から日付が変わるころには寝ています。休日は週に1.5日ほど。美味しいランチを食べに行くなどしています。




【起業家プロフィール】株式会社フォルスタイル(Forucafe) 代表取締役CEO 平井 幸奈 氏

1992年、広島県生まれ。飲食店でのアルバイトをきっかけに料理の世界へ。2012年、ワーキングホリデーを利用してオーストラリアに渡り修業。帰国後、料理教室主催やケータリング・カフェプロデュースなどの活動を行う。大学在学中の2013年9月、日本初ブリュレフレンチトースト専門店「Foru Cafe」を新宿区西早稲田に開店。2014年より法人化し、「株式会社フォルスタイル」代表取締役。

 

フォルスタイルは「食を起点にライフスタイルをトータルで彩るブランドをつくる」ことを目標に、日本初のブリュレフレンチトースト専門店ForuCafe、野菜を食べるシチュー専門店ForuStew、黄金比グラノーラFORU GRANOLAの運営をしています。黄金比グラノーラ、FORU GRANOLAのご購入はオンラインで好評発売中。

(編集:山中 勇樹