サポーターズコラム

 代表取締役 宍戸徳雄
株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンス 代表取締役
宍戸 徳雄
株式会社アジアリーガルリサーチ・アンド・ファイナンス代表取締役。アジア総合法律事務所のシンクタンクとして、アジア各国の法情報サービス、法令や判例の調査・研究、企業のアジア進出支援業務を行う。ミャンマービジネス法の専門家。2012年にヤンゴンオフィスを開設。住友銀行(現三井住友銀行)を経て独立。「ミャンマー進出ガイドブック」(プレジデント社)を出版。各種アジア進出セミナー、ミャンマー投資セミナーなど講演活動を展開している。有楽町ビジネスカレッジ「アジア実戦起業塾(ミャンマー編)」講師。 その他、台北、上海にも拠点がある。

(号外) 台湾通信 ~台湾進出手続きについて 

いつもヤンゴン通信でミャンマー進出情報を書いていますが、今回は特別に号外として、実は最近、進出相談が一番多い、台湾への進出形態やその手続きについて簡単に書いておきます。

なぜ今、台湾が注目されているのか?台湾への進出環境の優位性などは、12月1日に開催されるセミナー(「Festivo Global Challenge ASEANエリートが動き出した。EUを超えるアジアの躍動感」https://www.facebook.com/events/534697806616838/?source=1

でお話ししますので、ぜひそちらに参加してみて下さい。

●台湾への進出形態

まず、台湾に進出する際の会社の形態としは、株式会社(台湾会社法2条)、合同会社(同2条)、支店(同371条)、駐在員事務所という4つがメインになります。

以下では、外国企業が出資する形で台湾に現地法人を設立する場合における株式会社形態の手続きについて解説しましょう。

 

台湾における外資規制は、外国人投資条例により規制されています。

中国企業および外国企業の投資活動において、いくつかの規制業種が定められています。

このような業種規制の他には、出資規制などの規制はなく(一部メディアへの出資規制のみ存在)、100%外資での進出が可能です(この点は他のASEAN諸国とは規制の建て付けが少し異なります)。

また、台湾には現状、最低資本金制度は存在しませんが、台湾においてもやはり資本金は企業の信用力指標の一つとなるため、相応の資本金額を確保することが望ましいです。なお、手続きに関わる費用も、資本金額に応じて定められています。

外国人による投資については、外国人投資申請許可を受けて法人登記を行います。

外国人投資申請(foreign Investment Permission)は、経済部投資審議委員会に行います。

許可後、資本金を開設済の銀行口座に送金します。この場合の送金額は、申請時の金額と同額でなければならずその額を超過することはできません(送金後、政府が送金された資本金額の確認を行います)。銀行口座の開設手続きは法人登記に先行します(日本と逆)。

なお、認証手続きは日本にある台北駐日代表事務所ですることが可能です。

手続きには、およそ1か月程度はかかり、設立費用としては、資本金500万元以下で、およそ4万円~4万5千円程度です。

手続きに要する日数は、

1、外国人投資許可申請(5日~7日)

2、申請許可後、資本金送金 →資本金査定 →査定OK(3日~5日)

3、登記申請(7日~14日)

4、国税局への法人登録 →統一発票の購入可(7日~14日)

 

●台湾の税制概要

まず、売上に対する営業税として5%かかります。

また、法人所得税として17%、税引後利益に対して法定公積10%を控除後の金額が配当可能利益となります。配当課税として分配金に対して20%、不分配留保金に対して10%かかります。支店の場合は、営業税5%と、法人所得税17%がかかるのみで、配当課税は関係ありません。

 

●台湾会社法上の機関設計概要

機関設計上、問題となる台湾における会社の種類は、3つあります。

英語表記すれば、

1、 Ltd.

2、 Co., Ltd

3、 Branch of Foreign Company

の3つです。

 

・「Ltd.」では、少なくとも、1人の株主が必要となります。

そして取締役については、会社の代表者として、少なくとも1人の設置義務(要件)があります。その場合の取締役は、株主総会で選出された者でなければなりません。

なお、取締役、株主ともに、外国人であっても問題はなく、内国人である必要はありません。


・「Co., Ltd」では、少なくとも、2人以上の株主が必要となります。

そして取締役については、3名以上の設置義務があり、その内の1人は会社の代表者として取締役会の議長に選任される必要があります。なお、取締役は、株主の資格を有する必要はありません(この点は日本の会社法と同じですね)。

取締役、株主が、内国人である必要がないことは、「Ltd.」と同様です。


・「 Branch of Foreign Company」は、いわゆる外国会社の支店です。同支店は、当然ながら中華民国の法律に基づき活動を行わなければなりません。支店のマネージャーたる者が、支店の代表者となります。「branch」についても当然登記が必要で、法人格があると見做されます。また「Ltd.」「Co., Ltd」同様に、統一発票(領収書)を発行することが可能です。

 

なお、会社においては、監査役の設置は、会社において必要的要件です。

以上、ご参考まで。


株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンス

代表取締役 宍戸徳雄

プレジデント社 宍戸連載記事(全7回)

http://president.jp/list/books/reviewer?r=%E5%AE%8D%E6%88%B8%20%E5%BE%B3%E9%9B%84