サポーターズコラム

 代表取締役社長 香山大
株式会社ステート・オブ・ジ・アーツ 代表取締役社長
香山 大
【飲食店の中でもバー(Bar)に特化した総合プロデュース】株式会社ステート・オブ・ジ・アーツ 代表取締役社長 香山 大です。弊社は代表自身のバー、ディズニー、ブライダル、居酒屋から高級レストランまで、様々に携わってきた経験と実績を元に立ち上げた【飲食店の中でもバーに特化した総合プロデュース会社】です。このコラムでは飲食業に関する困難や悩み、新規出店するには?、そして失敗例や成功例を紹介していきます。

ビジネススタートアップの条件

お客様 行列

今回は番外編です。主に起業志望者に向けたコラムですが、飲食店での独立を考える人にとっても『忘れがち』なポイントになりますので、宜しければ最後までご覧下さい。まずは結論から入ります。

ビジネス・スタートアップが成立するための必要最低条件は「お客様がいること」です。

それ以外のことは、例えば 「学歴」、「資格(知識)」、「華々しい経歴」「人脈」「お金」、「情報」 などは、基本的には「あったほうがよいもの」です。全くない人であったとしても、顧客さえいればビジネスはスタートできます。 例えば・・・。 「高校中退(中卒)、資格なし、商売経験なし、身寄りもなし、貯金も全くない」という女性がいたとします。 その女性に対して、「ただ会って話すだけ」という行為に対して、何らかの価値を見出し、継続的にお金を払う人が何名もいる場合には、それでビジネス・スタートアップは成功します。(占い師やセラピスト、キャバクラ嬢、クラブホステスなどなど)

逆に「あったほうがよいもの」をたくさん持ち合わせている人、たとえば「東大卒業、司法試験合格・弁護士資格あり、学生時代の同級生等友人多数、貯金額大」という人がいたとして、その人の行っていることに全く顧客が付いていなければビジネスですらないということになります。

ちなみに、良く巷で言われる「USP」という単語をご存じでしょうか?Unique Selling Propositionの頭文字をとったものですが、簡単に言うと「独自性をアピールできる点」なんですが、これも「あったほうがよいもの」です。よくコンサルタントが口にする言葉ですが、スタートアップにおいてはUSPも「あったほうがよいもの」です。良くこれを追いかけて、袋小路にハマる方がいますが、初期のスタートアップにおいては独自性よりも、既にあるものを上手く活用したり、加工したり、便利にしたものが商材としては良いです。

ここで問題になるのは、どうやってその「お客様」を手に入れるか?がスタートアップにとって問題となります。そして「購買行動」に移るか?が焦点となります。しかし、ほとんどの場合認識を間違えており、「購買行動」は終着地点ではないということは最低でも認識せねばなりません。購買行動は、お客様がとる行動、もしくは情動の一つのプロセスに過ぎません。

購買行動(というプロセス)に至る理由

プロセスである所以【お客様が購買行動に至る原因】は、商品が良いからでも、価格が安いからでもありません。それは「あなたから買いたいから買ったのです。」コレだけではわかりにくいかもしれませんので、ブランドに置き換えてみるとどうでしょうか?「ブランド(あなた)から買いたいから買ったのです。」どうでしょう?腑に落ちませんか?ブランドを買う理由のほとんどはそうです。実際にルイヴィトンの革と安物の革の違いを説明できる人などそうそういませんし、ほとんどの人は実感できません。なので、ルイヴィトンの鞄を買うのは、商材が格別に良いからではなく、それがルイヴィトンというブランド(あなたに置き換えて)だからなのです。(ヴィトンは丈夫で長持ちなのが一つの特徴です。)「可愛いから買う」は日本のマスコミや高度経済成長期のエゴが生んだ神話で、「可愛いから」が理由なら精巧な贋物でも良いはず。しかし、日本人は本物にこだわります。それは上記の理由だからです。(+ステータスの意味合い)

 では、本題です。 お客様を手に入れるのは「人柄」や「雰囲気」「情熱」です。なんだそりゃ!?とお思いでしょうが、事業を成す者にとっては事実です。技術レベルが高い市場で、既に過競争状態の市場では中々通じにくいのですが、そもそもそのような市場はスタートアップには絶対的に向いてません。(その点、『飲食事業』は一部を除き過競争状態にはなっていませんので、幾らでも参入チャンスはあります。)

そして、「人柄」や「雰囲気」「情熱」は【伝える】ことによって初めて意味を成します。持っているだけでは、正しく『宝の持ち腐れ』です。 効果的に人に伝える為には、幾つかのポイントがあるので一部この場で紹介させて頂きます。(長くなってきたので)

  • ①お腹から声を出し!ハキハキと!(大きい声量で有る必要はありませんが、声の大きさは一つの印象ポイントでもあります)
  • ②想いと理由を!
  • ③笑顔で!自信を持って!
  • ④ですます!で終わる(思います。質問。はアウト)

以上、簡単ではないでしょうか?モチロンその他に技術的な部分や手法は存在します。が、根本は以上の4つです。小さい声でボソボソと宣伝だけして、仏頂面で自信無く~だと思います。などと言っている人から商品を買いたいでしょうか?むしろそれ以前のことで、私なら人としてお付き合いしたいタイプではありません。

ビジネススタートアップの条件とは、思っているより、人と人としての付き合いや繋がりをどう構築するのか?の方が大切だと偉大な先人達も仰っています。是非、これから起業を考える人は、周りの友人、恋人、親類、上司、仲間と仲良くして下さい。そして、自分の情熱や想い、理由(なぜ?)を今一度突き詰めてみて下さい。

これにて終わります。長い文章をご精読頂きありがとうございました。